○阿賀野市議会基本条例
平成23年12月20日
条例第36号
目次
前文
第1章 総則(第1条)
第2章 議会及び議員(第2条―第4条)
第3章 市民と議会の関係(第5条)
第4章 行政と議会の関係(第6条―第9条)
第5章 議会の運営(第10条・第11条)
第6章 委員会の活動(第12条)
第7章 議会及び議会事務局の体制整備(第13条―第15条)
第8章 議員の政治倫理、身分及び待遇(第16条―第18条)
第9章 最高規範性と見直し手続(第19条・第20条)
附則
近年、地方分権改革が大きく進展し、地域主権の時代へと変革しています。
この基本理念は、地域の自主性、自立性を高めることにより、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を図ることにあります。
地域における行政を担う地方自治体(以下「自治体」という。)は、あらゆる課題について、自らの責任において主体的に意思決定し対処することが求められています。
阿賀野市議会(以下「議会」という。)は、市民を代表する意思決定機関であり、時代の変革とともにその役割や責任はより大きなものとなっています。
こうした中、阿賀野市民(以下「市民」という。)が議員並びに阿賀野市長(以下「市長」という。)を直接選挙で選ぶといった二元代表制のもと、議会を構成する議員においても自らを研さんし、市民の多様な意見による合議機関として、市が行う各種政策について、透明性を保ちながら、市民本位の立場から、より適切な政策決定や政策の執行についての監視を行うとともに、政策の提言や立案についても、より積極的に行っていかなければなりません。
議会は、このような責務を自覚するとともに、最良の意思決定により、市民福祉の向上はもとより、議会の機能の更なる向上を目指すため、この条例を制定します。
この条例は、議会がより活発な議論を通じ市民の負託に応えていくための活動規範として制定するものであり、議会の最高規範と位置づけます。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、地方自治の本旨に基づき、市政の情報公開と市民参加を原則とした、自主自立の地域主権の時代にふさわしい市民に身近な議会及び議員の活動の活性化と充実のために必要な議会運営の基本事項を定めることにより、市民福祉の向上と持続的で豊かなまちづくりに寄与することを目的とします。
第2章 議会及び議員
(議会の活動原則)
第2条 議会は、市民を代表する議決機関であることを常に自覚し、公正性、透明性及び信頼性を重視して、市長その他の執行機関及びその職員(以下「市長等」という。)の事務の執行を監視します。
2 議会は、市民の多様な意見を把握して市政に反映させるために、必要な政策を自ら立案し、又は執行機関に提案することにより、市民と一緒にまちづくりの活動に取り組みます。
3 議会は、市民に開かれた議会を目指して情報公開に取り組むとともに、市民に対して議会の議決又は運営についてその経緯、理由等を説明する責任を果たします。
4 議会は、市民にわかりやすい議会運営を行うために、この条例に定めるもののほか、会議規則等を継続的に見直します。
(議員の活動原則)
第3条 議員は、この条例及びこの条例に基づいて制定される議会関係条例等を遵守して議会を運営し、もって市民を代表する合議制の機関として、市民に対する責任を果たさなければなりません。
2 議員は、議会が言論の場であること及び合議制の機関であることを十分に認識し、議員相互間の自由な討議を尊重します。
3 議員は、市政全般についての課題及び市民の意見、要望等を的確に把握するとともに、自らの資質の向上に努め、市民の代表としてふさわしい活動をします。
4 議員は、議会の構成員として、市民全体の福祉の向上を目指して活動します。
(会派)
第4条 議員は、議会活動を行うため、会派を結成することができます。
2 会派は、政策を中心とした同一の理念を共有する議員で構成し、活動します。
3 会派は、政策立案や政策提言、市の政策決定等に関し、必要に応じ会派間で調整を行い、合意形成に努めます。
第3章 市民と議会の関係
(市民参加及び市民との連携)
第5条 議会は、市民に対し議会の活動に関する情報を積極的に公表し透明性を高めるとともに、市民に対する説明責任を果たさなければなりません。
2 議会は、本会議のほか、すべての会議を原則公開するとともに、会期中又は閉会中を問わず、市民が議会の活動に参加できるような懇談会、議会報告会等を開催します。
3 議会は、常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会(以下「委員会」という。)における参考人制度及び公聴会制度を活用し、議会の審議に反映させます。
4 議会は、市民との意見交換の場を設け、市民の意見の把握に努め、政策提案の拡大を図ります。
第4章 行政と議会の関係
(市長等との関係)
第6条 議会は、市長等と常に緊張ある関係を保持し、事務の執行の監視及び評価を行います。
2 本会議における議員と市長等との質疑応答は、論点及び争点を明確にし、原則として一問一答の方式で行います。
3 議長から本会議及び委員会に出席を要請された市長等は、議長又は委員長の許可を得て、議員の質問等に対して反問することができます。
(政策等の形成過程の説明)
第7条 議会は、市長が提案する重要な政策等について、その水準を高めるため及び市民への公開のため、市長に対し、次に掲げる事項について明らかにするよう求めます。
(1) 政策等を必要とする背景
(2) 提案に至るまでの経緯
(3) 他の自治体の類似する政策との比較検討
(4) 市民参加の実施の有無とその内容
(5) 総合計画との整合性
(6) 財源措置
(7) 将来にわたるコスト計算
2 議会は、予算及び決算の審議にあたっては、前項に準じて、分かりやすい施策別又は事業別の説明を市長に求めます。
3 議会は、当初予算について、予算編成の方針及び内容等について市長等から説明を受けるため、当初予算説明会を開催します。
(資料提供)
第8条 議会は、政策形成過程の透明性を図るため、市長等に、必要な情報提供を求めることができます。
2 市長等は、前項の情報提供の求めに対して、速やかに対応するよう努めるものとします。
(政策立案及び政策提言)
第9条 議会は、条例の制定、議案の修正、決議等を通じて、政策の立案及び提言を行います。
第5章 議会の運営
(議会改革の推進)
第10条 議会は、議会の信頼性を高めるため、常に改革に努めます。
2 議会は、前項の改革に取り組むため、必要に応じて議員で構成する推進組織を設置します。
(議会の運営と討論の拡大)
第11条 議会は、議員による討論の場であることを認識し、議長は、議員相互間の討議を中心とした運営を行います。
2 議会は、本会議及び委員会において議員提出、委員会提出及び市長提出の議案並びに市民提案に関して審議し結論を出す場合、議員相互間において十分な討論、議論を尽くして合意形成に努めるとともに、その結果について市民に対して説明責任を果たします。
3 議員は、前2項による議員相互間の討議を拡大するため、政策、条例、意見書等の議案を積極的に提出するよう努めます。
4 議会は、議長、副議長を選出するときは、その経過を明らかにします。
5 議会は、市民の傍聴の意欲を高めるような議会運営を行います。
第6章 委員会の活動
(委員会の適切な運営)
第12条 議会は、社会経済情勢等により新たに生じる行政課題等に迅速かつ的確に対応するため、委員会の専門性と特性を活かし適切な運営を行います。
2 委員会は、請願及び陳情の審査等においては、必要に応じて当該請願者又は陳情者の意見を聴きます。
3 委員会は、市民からの要請に応じ、審査の経過等を説明するとともに、議員及び市民が自由に情報及び意見を交換する懇談会等を行うよう努めます。
第7章 議会及び議会事務局の体制整備
(議員研修の充実)
第13条 議会は、議員の資質並びに政策形成及び立案能力の向上を図るため、情報通信技術を活用するとともに、議員研修の充実に努めます。
(議会事務局の体制整備)
第14条 議会は、議員の政策形成及び立案能力の向上を図るため、議会事務局の調査及び法務機能の充実強化を図るよう努めます。
(議会広報の充実)
第15条 議会は、市政に係る重要な情報を議会独自の視点から、常に市民に対して公表するとともに、市民からの意見、要望等を取り上げ、その内容及び対応について定期的に市民に周知します。
2 議会は、情報技術の発達を踏まえた多様な広報手段を活用することにより、多くの市民が議会と市政に関心を持つよう議会広報活動を行います。
第8章 議員の政治倫理、身分及び待遇
(議員の政治倫理)
第16条 議員は、市民全体の代表者としてその倫理性を常に自覚し、良心と責任感を持って、議員の品位を保持し、識見を養うよう努めます。
(議員定数)
第17条 議員定数の改正にあたっては、市政の現状と課題及び将来の予測と展望等を十分に勘案し、市民の意見を聴取します。
2 議員定数の条例改正議案は、市民の直接請求による場合及び市長が提出する場合を除き、検討経過等を明らかにして、委員会又は議員から提出します。
(政務活動費)
第18条 阿賀野市議会政務活動費の交付に関する条例(平成16年条例第5号)の規定により政務活動費の交付を受けた会派及び議員は、政務活動費を適正に執行します。
2 議長は、会派及び議員の政務活動費の収支報告書を公開します。
第9章 最高規範性と見直し手続
(最高規範性)
第19条 この条例は、議会における最高規範であって、議会に関する他の条例、規則等を制定し、又は改廃するときは、この条例の趣旨を尊重しなければなりません。
2 議会は、議員にこの条例の理念を浸透させるため、一般選挙を経た任期開始後速やかに、この条例に関する研修を行います。
(見直し手続)
第20条 議会は、この条例の施行後、常に市民の意見及び社会情勢の変化等を勘案し、検証を行いながら、必要に応じてこの条例の改正その他の必要な措置を講じます。
附則
この条例は、平成24年4月1日から施行します。
附則(平成24年条例第53号)
この条例は、公布の日又は地方自治法の一部を改正する法律(平成24年法律第72号)附則第1条ただし書に規定する規定の施行の日のいずれか遅い日から施行する。
附則(平成26年条例第31号)
この条例は、平成26年4月1日から施行する。
附則(令和2年条例第12号)
この条例は、令和2年4月1日から施行する。