○阿賀野市まちづくり基本条例

平成23年3月25日

条例第2号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第4条)

第2章 まちづくりの主体(第5条―第9条)

第3章 情報の共有(第10条―第12条)

第4章 市民参画(第13条―第16条)

第5章 協働(第17条・第18条)

第6章 行政運営(第19条―第26条)

第7章 条例の見直し(第27条)

第8章 委任(第28条)

附則

私たちのまち阿賀野市は、大河「阿賀野川」が越後平野と出合い、東には五頭連峰をいただき、白鳥や多くの野鳥が飛来するラムサール条約登録湿地の「瓢湖」を有する自然の恵み豊かな美しいまちです。

また、古くは、交通の要衝として栄え、歴史と自然、文化が調和しながら発展し、平成16年4月に北蒲原南部4町村が合併し、新たな市として誕生しました。

私たちは、阿賀野市の美しい自然と地域の歴史や文化を愛する心を持ち続け、相互扶助による市民の絆によって、市民誰もが安心して暮らすことのできるまちを実現し、次世代の子どもたちに引き継いでいかなければなりません。

そこで、地域の恵まれた資源を十分に生かし、一人ひとりが主人公として、みんなのことを考えて行動し、参画と協働、情報の共有を基本として、広がる夢を未来に実現できるようなまち、阿賀野市に住んで良かったと誇れるまちを築き上げていくため、ここに、阿賀野市まちづくり基本条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、市民一人ひとりがまちづくりに自発的主体的に参画し、市も積極的に市民との協働を進め、美しい自然や人々を守り、自然と調和し誇りに思えるまちづくりと地域の発展を目指すために、市民の参画と協働によるまちづくりの基本的な事項を定めることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) まちづくり 市民誰もが幸せに安心して暮らせる住みよいまちを実現するための公共的な活動をいう。

(2) 市民 市内に在住、在勤又は在学する個人及び市内に事業所等を有する法人その他の団体をいう。

(3) 市 市長及びその他の執行機関をいう。

(4) 市民参画 市民がまちづくりに参加するだけにとどまらず、行政活動の企画立案、実施及び評価の各過程などに市民が主体的に関わり、行動することをいう。

(5) 協働 市民、市議会及び市が果たすべき役割及び責任を自覚し、お互いに尊重したうえで、協力し合いながら、行動することをいう。

(6) コミュニティ 互いに助け合い、人にやさしい地域社会、豊かな暮らしを築くことを目的として、自主的に結ばれた多様な集団及び組織をいう。

(条例の位置付け)

第3条 この条例は、阿賀野市のまちづくりに関する基本的な事項を定める規範であり、市民、市議会及び市は、この条例を遵守しなければならない。

2 市議会及び市は、条例や規則等の制定、改廃及び法令の解釈や運用に当たっては、この条例を尊重し、整合を図らなければならない。

(まちづくりの基本理念)

第4条 市民、市議会及び市は、市民一人ひとりの人権や個性を尊重し、人と人、地域と地域が互いに支え合いながら絆を大切にして思いやる心を育み、子どもからお年寄りまでの誰もが、安全で安心できる明るい魅力的なまちづくりを進めるものとする。

2 市民一人ひとりがまちづくりの主体であるという自覚を持ち、市民と市がそれぞれの果たすべき役割と責任を分担し、信頼し合い協働してまちづくりを推進するものとする。

第2章 まちづくりの主体

(市民の権利)

第5条 市民は、まちづくりの主体であり、行政の持つ情報を共有し、平等にサービスを受ける権利を有する。

2 市民は、市の政策立案、実施及び評価の過程に参画する権利を有する。

3 市民は、基本理念に掲げるまちづくりを実現するため、自主性、自立性を尊重するパートナーシップに基づき、まちづくりの政策や施策を提案し、積極的に参画する権利を有する。

(市民の役割)

第6条 市民は、お互いの人格を尊重し、みんなのことを考えて、主体的にまちづくりに参画し、貢献するよう努めるものとする。

2 市民は、自らがまちづくりにおける重要な担い手であることを自覚し、まちづくりにおける発言と行動に責任を持つものとする。

3 市民は、地域社会に協力するよう努めるものとする。

(市議会の責務)

第7条 市議会は、市政が適切に運営されているか監視するとともに、その結果を市民に明らかにしなければならない。

2 市議会は、決定過程を透明にするなど、市民に開かれた議会運営を行わなければならない。

3 市議会は、市民の意見が適切に反映されるよう活動しなければならない。

(市長の責務)

第8条 市長は、公正かつ公平に職務に当たるとともに、この条例に基づいたまちづくりの推進に努めなければならない。

2 市長は、多様化した市民のニーズに対応したまちづくりを行うため、市職員を適切に指導、監督しなければならない。

3 市長は、市民が積極的にまちづくりに参画するための機会を保障しなければならない。

4 市長は、市民への説明責任を果たさなければならない。

(市職員の責務)

第9条 市職員は、全体の奉仕者であることを認識し、公正かつ公平に職務を遂行しなければならない。

第3章 情報の共有

(情報の共有)

第10条 市は、市民参画と協働によるまちづくりを推進するため、市民が必要とする情報を積極的に公開し、相互が共有できるようにしなければならない。

(情報公開)

第11条 市は、市民に対して個人情報の保護等に配慮した上で、積極的に情報を公開するとともに、分かりやすく提供するよう努めなければならない。

2 前項に規定する情報の公開について必要な事項は、別に条例で定める。

(個人情報の保護)

第12条 市は、保有する個人情報について厳正な保護を行うとともに、自己に関わる情報の開示等を求める権利を明らかにし、個人の権利利益を守らなければならない。

2 前項に規定する個人情報の保護等について必要な事項は、別に条例で定める。

第4章 市民参画

(市民参画の推進)

第13条 市は、市民誰もがまちづくりに参画できるよう市民参画の機会を保障し、施策の企画立案、実施及び評価の過程において市民参画を積極的に推進するものとする。

(市民参画の対象)

第14条 市は、次の各号に掲げる施策を実施しようとする場合は、市民の参画を求めなければならない。

(1) 市の基本構想、基本計画その他施策の基本的な事項を定める計画等の策定又は変更

(2) 市政に関する基本方針を定め、又は市民に義務を課し、若しくは市民の権利を制限することを内容とする条例の制定又は改廃

(3) 広く市民に適用され、市民生活に重大な影響を及ぼす制度の導入又は改廃

(4) 市民の公共の用に供される大規模な施設等の設置に係る事業計画等の策定又は変更

2 市は、前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当するものは、市民参画を求めないことができる。

(1) 軽易なもの

(2) 緊急に行わなければならないもの

(3) 市の内部の事務処理に関するもの

(4) 前3号に掲げるもののほか、これらに準ずるもの

3 市は、第1項の規定にかかわらず、市税の賦課徴収及び分担金、負担金、使用料、手数料等の徴収に関するものは、市民参画を求めないことができる。

4 市は、第1項各号に掲げる施策以外の施策(第2項各号のいずれかに該当するものを除く。)にあっても、市民参画を求めることができる。

5 市は、第1項の規定にかかわらず、市民参画を求めなかった場合は、その理由を市民に説明しなければならない。

(市民参画の方法)

第15条 市は、市民参画を求めて施策を実施しようとする場合は、次の各号に掲げる方法のうち、事案に応じた適切なものにより市民参画を求めるものとする。

(1) 審議会等の附属機関及びこれに類するもの(以下「審議会等」という。)への市民公募

(2) パブリックコメント(意見公募手続)

(3) 意見交換会

(4) アンケート調査

(5) 前各号に準ずる方法

2 市は、市民に対しまちづくりに関する学習機会を提供するとともに、まちづくりの課題等を的確に把握するための情報の収集に努めなければならない。

3 市は、市民の意見、要望及び提案を受け付ける窓口を明確にした上、意見等に対する処理結果を明らかにするなど、誠実に対応するものとする。

(審議会等)

第16条 市は、審議会等の委員の選任に関し、委員の一部を公募により選考するよう努めなければならない。ただし、審議会等の設置目的、所掌事務に照らし、委員の公募が適当でないと認められる場合には、この限りでない。

2 市は、審議会等の構成員について、男女の比率、年齢構成、他の審議会等との重複等を考慮し、幅広い分野から人材を登用するよう努めなければならない。

第5章 協働

(協働のまちづくりの推進)

第17条 市民、市議会及び市は、お互いを尊重し合い、連携して協働のまちづくりを積極的に推進するものとする。

2 市は、協働のまちづくりの推進に当たり、協働し活動できるよう必要な体制等を整備するとともに、まちづくりを担う人材を育成するための機会の提供に努めるものとする。

(コミュニティ)

第18条 市民及び市は、まちづくりの担い手であるコミュニティの役割を認識し、コミュニティを守り育てるよう努めるものとする。

2 コミュニティは、自らの役割を認識し、お互いを十分尊重しながら積極的にまちづくりに参画するものとする。

3 市は、コミュニティの自主性及び自立性を尊重し、その活動を支援するよう努めるものとする。

第6章 行政運営

(総合計画)

第19条 市は、総合的かつ計画的な行政運営を行うため、基本構想並びにその実現を図るための基本計画及び実施計画を内容とする総合計画をまちづくりに関する最上位の計画として位置付け、他の計画の策定及び変更に当たっては、総合計画との整合を図らなければならない。

2 市は、総合計画を定めるに当たっては、市民の意見を適切に反映させるため、広く市民の参画を得ながら進めなければならない。

3 市は、基本構想を策定し、又は変更しようとするときは、議会の議決を経なければならない。

4 市は、総合計画の進行管理を適切に行い、内容と進捗状況に関する情報を市民に分かりやすく公表しなければならない。

(財政運営)

第20条 市は、行財政改革に取り組むとともに、効率的かつ効果的な財政運営を行うことにより、財政の健全化の確保に努めなければならない。

2 市は、市の財政、財務等に関する事項について市民に公表することにより、市の経営状況を的確かつ分かりやすく市民に伝えなければならない。

(法令遵守)

第21条 市及び市議会は、法令遵守及び倫理保持のための体制を整備し、適正かつ公正な行政運営に努めなければならない。

(行政手続)

第22条 市は、市民の権利利益の保護を図るため、市が行う処分等に関する手続きについての基本的事項を定め、行政運営における公正の確保と透明性の向上を図らなければならない。

2 前項に規定する行政手続について必要な事項は、別に条例で定める。

(危機管理)

第23条 市は、市民の生命、身体及び財産の安全を確保するとともに、緊急時に迅速かつ的確に対応できるよう体制を整備しなければならない。

2 市は、市民及び関係機関との協力及び連携を図り、災害等に備えなければならない。

3 市民は、災害等の発生時において、自らの安全確保を図るとともに、果たすべき役割を認識し、相互に協力しながら対応するよう努めるものとする。

(外部監査)

第24条 市は、適正で効率的な行財政運営を確保するため、外部機関その他第三者による監査を実施することができる。

(行政評価)

第25条 市は、行政運営の効率や効果、市政の透明性を確保するため、行政評価を行い、その結果を分かりやすく公表しなければならない。

2 市は、行政評価の実施に当たっては、有識者、公募市民等、外部の第三者の参画に努めるものとする。

(他の機関との連携)

第26条 市は、共通する課題又は広域的な課題の解決を図るため、他の地方公共団体、国及びその他の機関との積極的な連携に努めるものとする。

第7章 条例の見直し

第27条 市は、この条例の施行から4年を超えない時期ごとに、この条例がその時点の阿賀野市にふさわしく、社会情勢に適合したものであるかどうかを市民参画を得て検討し、その結果に基づき見直し等必要な措置を講じるものとする。

第8章 委任

第28条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、平成23年10月1日から施行する。

(平成27年条例第52号)

この条例は、平成28年1月1日から施行する。

阿賀野市まちづくり基本条例

平成23年3月25日 条例第2号

(平成28年1月1日施行)

体系情報
第1編 規/第1章 市制施行
沿革情報
平成23年3月25日 条例第2号
平成27年12月15日 条例第52号