○阿賀野市産業経済振興条例

平成21年3月25日

条例第24号

阿賀野市は、自然豊かな五頭山系と阿賀野川の恵みによって、古くから農林業を基幹産業として栄えてきた。阿賀野市地域経済は、農林業をはじめとする中小企業者が地域経済を支えながら発展してきた。

しかし、昭和30年代後半からの高度経済成長によって農村部から都市への労働力の流出や、国の輸出産業重視の経済政策によって、米を始めとした農畜産物の輸入自由化により農業は徐々に衰退し、結果として農地の荒廃や後継者不足が深刻な問題となっている。

商工業もまた、経済の国際化や厳しい企業間競争、急速な少子高齢化や人口減少時代によって、極めて厳しい経営環境に置かれている。特に、経営資源の確保が困難な小規模企業については、成長発展のみならず、事業の持続的発展を図ることが必要である。さらに地域消費力の大部分を占める労働者の雇用情勢も不安定なため、地域経済は疲弊し市民生活の安定向上と安全を守ることを使命とする行財政運営まで難しい状況にある。

このようなことから、阿賀野市のすべての産業・関係機関団体・市民並びに行政がそれぞれの役割を以って協働し、経済の地域内循環(経済の地産地消)による産業振興と産業集積による活力のあるまちづくりを目指すため条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、阿賀野市の産業振興及び産業集積による地域経済の活性化を図るため、市民をはじめ、行政、事業者、各関係機関団体が協働し、「にぎわいを創出する産業のまち阿賀野」を構築することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 産業 農林業、大企業並びに中小企業法(昭和38年法律第154号)第2条第1項及び同条第5項に規定する規模及び業種に該当する工業及び商業をいう。

(2) 事業者 市内において農林業も含め産業を営む全ての者をいう。

(3) 関係機関団体等 産業に関し、その支援、振興に関係するJA、商工会、金融機関等の機関及び団体の全てをいう。

(4) 地産地消 農畜産物の市内消費を含め、消費者は市内で生産又は取り扱われる商品や各種の技術・サービス等を利用することと資源ゴミの有機肥料や飼料等の有益化による地域内循環の全てをいう。

(基本的な施策)

第3条 基本的な産業経済振興施策は、次に掲げるとおりとする。

(1) 事業者の経営基盤強化の支援及び安定した経営健全化に関すること。

(2) 農商工連携による新商品の研究・開発・販売に関すること。

(3) 農畜産物などの市内利用促進に関すること。

(4) 瓦等窯業や醸造業など伝統的な地場産業の振興に関すること。

(5) 地域の特性を活かした観光の振興に関すること。

(6) 創業及び新規事業創出の促進に関すること。

(7) 魅力ある商店街づくりに関すること。

(8) 地域環境と調和のとれた企業誘致、産業集積及び雇用の創出に関すること。

(9) 新技術及び新製品の開発、販路拡大その他の経営革新の促進に関すること。

(10) 事業者の後継者、担い手の育成確保並びに農業生産の組織化、法人化に関すること。

(11) バイオマス利活用による資源循環型社会の推進に関すること。

(12) その他産業経済振興に必要な事項。

(市の責務)

第4条 市は、前条各号の施策を行うにあたり、次に掲げる措置を講ずるものとする。

(1) 基本的な施策を推進するための基本計画を策定すること。

(2) 国、県その他関係機関等と連携協力して施策を推進すること。

(3) 必要に応じて国等に対して施策の充実及び改善要請を行うこと。

(4) 経営の安定化を図るため、効果的な融資及び補助制度を充実すること。

(5) 事業者が取り扱う物品や農畜産物等の受注機会を増大し、使用に努めること。

(6) 市固有の観光資源並びに伝統工芸、特産品などの情報発信に努めること。

(7) 雇用機会の創出と市内消費人口の増加のため、積極的な産業集積による企業誘致活動及び地場事業者の事業拡張への支援に努めること。

(8) 小規模企業者の事情に配慮し、成長発展及び持続的発展に資する支援を行うよう努めること。

(9) 施策を実施するために必要な財政上の措置を講ずるよう努めること。

(事業者等の自主的努力)

第5条 事業者は、この条例の目的達成のため、生活環境との調和を図りながら、経営基盤の強化、人材の育成、雇用の確保並びに従業員の福利厚生面等労働環境の向上、流通の円滑化及び消費生活の安全確保のため、より一層創意と工夫を以って自主的努力を行うよう努めるものとする。

(関係機関団体等の役割)

第6条 関係機関団体等は、この条例の目的達成のため、次に掲げる事項について、一層の取り組みに努めるものとする。

(1) 事業者の経営の安定健全化のため、指導支援を行うこと。

(2) 新たな技術や商品開発を事業者と協働して行うこと。

(3) 創業や新規事業創出への支援を積極的に行うこと。

(4) 生産物等の積極的な有利販売、販路の拡大に努めること。

(5) 市内消費拡大のための催し物を企画し実施すること。

(6) 労働者の福利厚生面の向上のための指導を行うこと。

(7) その他、この条例の目的達成に必要なこと。

(市民の理解)

第7条 市民は、産業の振興が地域経済の発展と市民生活の安定向上に寄与するものであることを十分に理解し、市内での消費や事業者からのサービスの利用などに心掛け、その健全な振興に協力するよう努めるものとする。

(大企業者等の努力)

第8条 大企業者等は、中小企業者及び小規模企業者をはじめ全ての事業者が地域社会の発展に欠くことのできない重要な役割を果たすことを認識し、地域経済の振興に努めるものとする。

(委任)

第9条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、平成21年4月1日から施行する。

(平成30年条例第22号)

この条例は、平成30年4月1日から施行する。

阿賀野市産業経済振興条例

平成21年3月25日 条例第24号

(平成30年4月1日施行)